沖縄発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
まず、旧海軍司令部壕を訪ねて、壕の中で非業の最期を遂げた人々をしのぶ。 糸満では築120年を超える琉球古民家で食事をし、平和祈念公園で祈りを捧げたら、戦場に散った乙女たちをまつるひめゆりの塔へ。 道の駅で買い物を楽しみ、夕暮れの瀬長島を目指す。 写真/宮田けい
レンタカー案内所は空港1階到着口にあり、車で10分程度の圏内には多数ある。 空港の到着ロビーを出ると各レンタカー会社のシャトルバスが待機していて、それに乗って営業所まで行き、手続をして借り出すというシステム。 返却も同じ営業所で行い、シャトルバスが空港まで送ってくれる。 軽自動車からワゴンまで、あらゆる車種がそろう。
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旧海軍司令部壕は沖縄戦当時に日本海軍沖縄方面根拠地隊司令部が置かれていた防空壕で、昭和19年に掘られたという。 当初は450メートルの長さがあったが、現在は300メートルが公開されており、司令官室、医療室、幕僚室などを見ることができる。 昭和20年6月13日未明、隊を率いていた司令官大田實少将をはじめ、多くの将兵や民間人がここで命を落とした。 戦争の恐ろしさと平和の尊さを再認識する場所。
壕内にある司令官室が沖縄戦当時のままの姿で残されている。 大田司令官らが自決した部屋で、壁面には『大君の御はたのもとに死してこそ人と生まれし甲斐ぞありけり』という大田司令官の愛唱歌が墨書されており、今も鮮やかに残っている。
資料館には旧海軍司令部壕や沖縄戦に関する資料が展示されており、知識を深めることができる。 450メートルもの長さの防空壕を掘るのに使った「くわ」や「つるはし」、壕内から出てきた遺品なども展示されており、平和学習にも役立つ展示内容となっている。
1891年ごろに建てられたというから、築後120年以上も経つ古民家で営業する沖縄そば屋さん。 どっしりとした石門、木造家屋に伝統の赤瓦屋根、そこにちょこんと座るシーサー。 昔ながらの沖縄の風情が残り、緑濃い庭の木々とともに、ほっとさせてくれるような空間を作り出している。 地元の食材にこだわっていて、庭で栽培したハーブなども使って体にやさしい料理を提供している。
メニューの基本は沖縄そばだが、この長崎皿うどん風の皿そばもおすすめ。 沖縄そばの麺を焼き、魚介類や野菜などをトッピングしている。 中華風のテイストだが、沖縄そばの麺を使っているところがこの店らしい。 ほかにチャンプルー類もある。
茶処というだけあって、ハーブティーなどのドリンクやスイーツもおいしい。 とくにマンゴープリンはマンゴー本来の濃厚な味わいで人気がある。 夏の暑い日には特製のハーブティーといっしょにいただくのがおすすめ。 運転の疲れも吹き飛ばしてくれそうだ。
沖縄戦最後の激戦地、糸満市摩文仁に位置する公園。 沖縄県民の間では平和への誓いを新たにする場所とされ、毎年6月23日の慰霊の日には総理大臣も列席して、ここで「沖縄全戦没者追悼式」も開催される。 園内には国立沖縄戦没者墓苑や各県慰霊塔・碑、また展示資料で沖縄戦について学べる「沖縄県平和祈念資料館」や、沖縄戦で亡くなったすべての人の名を刻んだ「平和の礎」、沖縄平和祈念像を安置する「沖縄平和祈念堂」などがある。
平和の礎(へいわのいしじ)には沖縄県出身者だけでなく、国籍や軍人・民間人を問わず、沖縄戦などで亡くなったすべて人々の名前が刻まれている。 刻銘される名前は毎年追加されており、2017年6月現在24万1468名の戦没者の名前が刻まれている。
沖縄平和祈念堂には、沖縄が生んだ芸術家山田真山氏が18年あまりをかけて原型を制作したという、高さ12メートルにもおよぶ沖縄平和祈念像が安置されている。 日本画壇の第一線で活躍する画家の描いた作品を展示する美術館や、オオゴマダラが美しい姿を見せる清ら蝶園もある。
沖縄戦末期に看護要員として沖縄陸軍病院に動員された沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の15歳~19歳の生徒222名と教師18名。 のちに「ひめゆり学徒隊」と呼ばれる彼女らのうち、136名が戦場で命を落とした。 その御霊を慰め、平和を願うために建立されたのが「ひめゆりの塔」である。 多くのひめゆり学徒が亡くなった伊原第三外科壕の上に建てられている。
多くの女子学徒が亡くなった伊原第三外科壕。 終戦の翌年、このそばに遺族ら関係者によって高さ数10センチの最初のひめゆりの塔が建てられた。 亡くなったひめゆり学徒の名前が刻まれ、裏は納骨堂になっている。 終戦から68年経った現在でも多くの参拝者が訪れ、祈りを捧げている。
ひめゆりの塔に隣接して「ひめゆり平和祈念資料館」がある。 1989年6月23日開館。 建物は、ひめゆり学徒の母校、女師・一高女の校舎を模して作られ、内部には伊原第三外科壕の原寸大模型をはじめ、生存者の手記や証言映像、学徒の遺品など、さまざまな資料が展示されている。
絶景ポイント 喜屋武岬
一般に沖縄本島最南端といわれる岬(厳密には東に約1キロ離れた荒崎が最南端)。 景色はすばらしいが沖縄戦時には米軍の攻撃に追われた多くの住民がここから身を投げて命を落とした。 「平和の塔」が建立されている。
日本最南端の道の駅。 敷地面積1万坪と規模が大きく、JAが運営する「ファーマーズマーケットうまんちゅ市場」や、糸満漁業協同組合が運営しているお魚センターなど4つの施設で構成される。 駐車場も広大で、食事やショッピングなどで地元の人もよく利用している。 とくに農産物の直売所である「うまんちゅ市場」は農家が採れたての野菜や果物を直接持ち込むので、安くて新鮮だと人気が高い。
ファーマーズマーケットは沖縄県内にいくつもあるが、うまんちゅ市場は県内で初めてできたファーマーズマーケット。 契約農家は約1000軒といわれ、朝採れた農産物が続々と持ち込まれる。 値段もかなり安く那覇などから大量に買いに来る人も多い。
野菜はもちろん、季節のフルーツも販売されている。 たとえば夏はマンゴーも大量に入荷。 他に比べると安いので、お土産にここで買っていくのもひとつの手。 もちろん全国発送も可能だ。 那覇空港まで8キロちょっとという近さを考えても買い物には便利。
那覇空港の南側にある瀬長島。 島とはいうものの、海上に造られた道を通って車で行くことができる。 海がきれいで慶良間の方向に沈む夕日も美しいので、地元豊見城はもちろん、那覇やその近郊に住む人々の憩いのスポットになっている。 フライトの時間にもよるが、ここでサンセットを楽しんでからレンタカーを返し、飛行機に乗って本土へ帰るというのも可能だ。
瀬長島に渡る海中道路の上空が、那覇空港にアプローチする航空機の着陸ルートになっている。 低い高度を大型の飛行機が通過していく様子は迫力満点。 航空ファンだけでなく一般の人々もそれを見にやってくる。 写真撮影のスポットとしても人気だ。
2013年2月には温泉を備えた「琉球温泉 瀬長島ホテル」がオープンした。 オーシャンビューの部屋からは東シナ海や水平線に沈む夕日が、エアポートビューの部屋からは那覇空港の全景を見晴らすことができる。 宿泊すれば夜の空港の幻想的な眺めも楽しめる。
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那覇から本島南部を横断するコース。 自然の神秘を感じるガンガラーの谷から、新原ビーチへ。 地平線を眺めながら「食堂かりか」で珍しいネパール料理を食べる。 絶景スポット「ニライカナイ橋」からの眺望を楽しんだ後は、「cafe 森のテラス」でひと休み。 そして、大パノラマが待つ「知念岬公園」へ。
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